1.AIRBNBに関係する法律は何か?

 

AIRBNBを行う場合、借地借家法、民法、旅館業法、道路運送法、食品衛生法が深く関わります。

上記のサービスと各法律との関係について検討していきます。

通説では、貸し出し期間が一月を超える場合と、一月未満の場合で問題になる法律が分かれますので、以下、分けて説明します。

 

①貸出期間が一月以上の場合

 

まず、部屋の貸し出しが、目安としてですが、およそ1か月の契約期間(滞在期間)を越えると、『賃貸』と判断されます。

そして、借主と借主の間で、借地借家法にらもとづく『普通建物賃貸借契約』が結ばれたものと判断されます。

この場合、下記のように、 「借地借家法」の適用により、借りた人の保護が厚くなります。

 

普通建物賃貸借契約を行った場合、借地借家法の適用を受け、借りる人の身分が保護されます。

たとえば、Airbnbで貸出期間を2ヶ月などと、一年未満の期間を定めた場合、法律上、契約期間は2ヶ月とは認められず、期間を定めない契約とみなされます(借地借家法第29条)。

そして、基本的に契約期間は自動更新されます。

さらに、貸主は、どうしても部屋に住む必要があるなどの正当な事由(理由)がない限り、借主に部屋から出て行くように要求すること(解約の申入)ができません(借地借家法第28条)。

ただし、仮に、賃貸人に正当な事由があっても、退去を要求できないケースもあります。
それは、airbnbでは稀なケースだと思いますが、1年以上の契約期間を設定し、かつ、賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨の解約の申入れをしなかったときです。このときは、賃貸借契約は期間満了により終了しません(借地借家法第28条)。

 

②貸出期間が一月未満の場合

滞在期間が一月に満たない場合は、通説では、宿泊者は一時的に住んでいるだけとみなされ、上記のような借地借家法上の契約は存在しないと判断されます。

そこで、この場合は、貸主が『旅館業』を営んでいると言えるのかどうかが問題となります。

旅館業を営むには、都道府県知事の許可を得る必要があり、無許可営業は、犯罪となります。

なお、保健所設置市または特別区にあっては、市長又は区長の許可を受ける必要があります。

旅館業を営んでいると判断する基準は、「有償」で「反復継続」して行われているか否かです。

では、AIRBNBで外国人旅行者に部屋を貸し出すことは、上記の条件を満たすのでしょうか。

まず、「有償性」についてですが、 Airbnbなどのサービスでは、貸主は、借主から、Airbnbを介してお金を受け取りますので、この条件を満たします。

次に、「反復継続性」についてはどうでしょうか。

一年を通して頻繁に募集をかけている場合や、頻繁におなじ部屋を繰り返し貸した実績がある場合には、反復継続性があると判断されます。

すなわち、その部屋は居住目的の住居ではなく、事業目的の住居とみなされます。

ここからはあくまで私見ですが、目安としては、年末年始、盆等の一般的な休暇期間以外に繰り返して他人に貸し出している場合には、事業と判断される可能性が高いと思われます。

なぜなら、通常の人は、部屋を『居住目的』で借りますが、部屋を長期で空けるのは、年末年始、ゴールデンウイーク、盆、シルバーウィークの年4回程度が一般的です。ですから、これらの時期にのみ短期間で貸し出す程度であれば、反復法律に違反とされ可能性は低いと考えるからです。

ただ、年4回程度であっても、「反復継続性」がある、という考え方もありますので、偶然1回きりのものでない限りは、違法となるリスクは否定できないとお考えください。

 

2.AIRBNBに関するその他の問題になる法律

 

①民法

貸主の物が壊された場合などは、民法に規定される不法行為にあたるため、損害賠償を請求することができます。

 

②道路運送法

有償で旅客を載せて運送することは、『旅客事業者運送事業』にあたり(道路運送法3条)、国土交通大臣の許可が必要になります。ですから、たとえば宿泊者と待ち合わせした後、宿泊者を車で家まで送るサービスを行うと、タクシーの免許を持っていないのにタクシー類似の業務を行ったことになり、道路運送法に違反するおそれがあります。

 

③食品衛生法

貸主が、宿泊者に食事をつくって提供する場合、食品衛生法に違反するおそれがあります。

食品営業許可は、食品営業許可を申請し、都道府県知事が定めた施設基準に合致する施設である場合にのみ、許可が認められるからです。

すなわち、無許可で、旅館業に付随するサービスとして食事をつくって提供していると、有償で反復継続している事業と判断され、食品衛生法に違反します。

 

3.まとめ

 

以上がAIRBNBのホストを行う場合の法的な問題点の概要です。

但し、上記で紹介した内容は法的問題の全てではありません。

ですから、AIRBNBをはじめる前には、一度専門家に相談の上、すすめるようにしてください。

 

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