旅館業許可に関するQ&A

 

 

Q:旅館業とは何ですか?

A:宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行なうことをいいます。宿泊とは、寝具を使用して施設を利用することをいいます。

旅館業を経営する場合、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では、市長又は区長)の許可が必要になります。

 

※宿泊料を徴収しない場合、許可は必要ありません。

※宿泊料には、その名目にかかわらず、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものは含まれます。例えば、休憩料はもちろん、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費も宿泊料とみなされます。

 

Q:旅館業の種別はどうなっていますか?

A:次の4種類に分かれます。

 

①ホテル営業

10室以上の洋式の構造設備の客室

(床面積9㎡以上)を主とする宿泊施設

EX.観光ホテル、ビジネスホテル

 

②旅館営業

5室以上の和式の構造設備の客室

(床面積7㎡)を主とする宿泊施設

EX.いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館、割烹旅館

 

③簡易宿泊営業所

宿泊する場所を多数人で共用する宿泊施設

(客室の延床面積33㎡以上)

EX.カプセルホテル、キャンプ場のバンガローや常設テント

 

 

④下宿営業

一月以上の期間を単位とする宿泊施設

 

Q:ウィークリーマンションにも旅館業の許可が必要?

A:ウィークリーマンションは、「生活の本拠として」の宿泊ではないので、「ホテル営業」にあたり旅館業の許可が必要になります。これに対して、マンスリーマンションに「生活の本拠として」として宿泊させる場合は、賃貸となります。

ホームステイも宿泊者(居住者)が,生活拠点を日本に移しているため、旅館業には該当しません。

もっとも、単に、一般の住居・空き部屋の提供も「営業として、宿泊料を受け取り、人を宿泊させる」場合には、旅館業となり、許可が必要になります。

 

 

Q:施設に関しての許可の要件は?

A:以下の3つの要件を充たす必要があります。

 

①施設の設置場所が適切であること

②施設が構造基準を満たすこと

③申請者が欠格要件に該当しないこと

要件を充たすかどうかの基準は、法律・施行令・条例などで定められています。

 

Q:施設の近くに学校がある場合でも大丈夫?

A:許可を受けられない場合があります。

 

施設の設置場所が、下記の敷地の周囲約100メートルの区域内で、設置によりその清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合には、許可されません。

 

①学校教育法第1条に規程する学校(大学を除く)

幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校

 

②児童福祉法第7条に規定する児童福祉施設

助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター

 

③その他社会教育に関する施設で、都道府県の条例で定めるもの

図書館、公民館、都市公園、博物館、スポーツ施設など

 

もっとも、100メートルの区域内にある場合、絶対に許可が取得できないわけではなく、一定の設備を設ければ、営業が許可される可能性があります。

 

 

Q:施設で食事の提供をしたいのですが、旅館業の許可だけで大丈夫?

A;食品衛生法に基づく手続が必要になります。

宿泊施設を設置し営業を開始するあたり、旅館業法以外にも、関連する他法令に基づく手続きが必要となる場合があります。

 

(例)

1.建築物→建築基準法、バリアフリー法、各自治体の建築安全関連条例等に基づく手続き

2.用途地域(建築場所の規制)→都市計画法等に基づく手続き

3.消防設備、防火体制→消防法、火災予防条例に基づく手続き

4.特定建築物(旅館の延べ面積が3,000㎡以上の場合)→建築物衛生法に基づく手続き

5.貯水槽、井戸等で給水→水道法等に基づく手続き

6.食事の提供→食品衛生法等に基づく手続き

7.井戸、地下水の揚水、利用→環境確保条例等に基づく手続き

8.排水、下水、浄化槽等→下水道法、水質汚濁防止法、浄化槽法に基づく手続き

9.宿泊者以外の者による浴場の利用→公衆浴場法に基づく手続き

 

Q:大阪府内にあるマンションの空室を外国人向け宿泊施設として活用したいけれど、大阪府では、いわゆる民泊条例が可決されたから、許可は不要?

A: 要件に満たさなければ、旅館業の許可が必要です。もっとも、認定申請が必要になります。

大阪府においては、2015年10月27日、国家戦略特区法に基づいて、滞在期間の要件や自治体の立ち入り権限などを定めた条例(通称、民泊条例)が可決されました。

そのため、一定の要件を満たす外国人向けの施設については、大阪府の認定により、旅館業法の許可の必要はなくなります。(2016年4月に施行見通し)。

 

要件は、

①業務が旅館業法での「旅館業」に該当すること

②賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの

③滞在期間が6泊7日以上

④居室の要件

1居室の床面積が原則25㎡以上

出入口の鍵があり、他の居室との境は壁塗り

適当な換気,採光,照明,防湿,冷暖房の設備がある。

浴室,洗面,トイレがある。

寝具,調理,収納,清掃のための設備・器具がある。

使用前に居室の清潔の保持をする。

⑤外国語による利用案内、緊急時の情報提供等を行うこと。

 

※原則として対象は外国人の滞在施設ですが、例外的に日本人が滞在する場合が排除されるわけではありません。

もっとも、現在の対象地域は、大阪市や堺市など保健所設置市の6市(大阪、堺、高槻、東大阪、豊中、枚方)を除く府下37市町村です。

この6市は、市ごとに条例を定める必要があり、2015年11月11日現在、大阪市は市議会に当該条例案を提出しています。

 

 

Q:営業許可申請に必要な書類は?

A:大阪市の場合、以下の書類が必要になります。

■申請書類(正・写)

旅館業営業許可申請書〔様式10〕

■添付書類(正・写)

1.構造設備の概要〔様式3〕

2.構造設備確認票〔様式3-2〕

3.建築基準法に基づく検査済証の写し又は仮使用承認書の写し

4.消防法令に基づく適合通知書

5.登記事項証明書(営業者は法人の場合);3ヵ月以内のもの

6.営業施設の付近300メートル以内の見取図;旅館業法第3条第3項に規定する学校等の7.施設がある場合は、その施設名及び距離を明示したもの

8.配置図

9.立面図;外観の形状及びマンセル表色系で色彩を明示したもの

10.各階の平面図

11.水質検査成績書(使用水が水道水以外の場合)

12.広告塔、広告板、その他の屋外広告物及び屋外照明設備等の図面;形状及び色彩並びに13.設置場所を明示したもの

14.フロント展開図又は投影図

15.給排水系統図

 

※以下の場合、許可申請の前に事前届出が必要です。

新たに旅館業施設の建築計画がある場合

改築、増築(総面積が既施設面積の2倍以上となるもの)する計画がある場合

既存の建物を旅館業施設に用途変更する場合

旅館業施設の改修等の計画がある場合

 

Q:旅館業法の許可を受けずに営業した場合、どうなるの?

A:無許可営業の場合、懲役6か月以下もしくは罰金3万円以下に処せられることがあります(旅館業法10条1項)。実際に旅館業法違反として検挙された例もあります。