1.大阪府でなぜ民泊条例の制定が必要だったのか?

大阪府の民泊条例の内容を説明する前に、大阪府でなぜ民泊条例の制定が必要だったのか?について説明いたします。

もともと、大阪は大阪城や通天閣等の観光名所がありますし、何より、観光客の「買い物」に便利なところです。

特に大阪の梅田・ミナミの難波、日本橋等の繁華街は買い物客であふれかえっています。OOドラッグといった薬局、100均ショップやOOカメラ等の家電量販店などでは日本人よりも外国人が多い状況とさえ言えます。

そして、大阪に来るの国籍も様々で、中国、韓国、台湾等を中心に、最近は東南アジア系や欧米系・欧州系の方もたくさん大阪を訪れています。

このような観光客の増加傾向から、大阪はホテル等の宿泊施設稼働率も高く、宿泊施設の供給不足がずっと言われてきました。

しかしながら、ホテルというものは1ヶ月や2ヶ月で建設できるものではありません。また、旅館業法、建築基準法等の厳しい条件をクリアしなくては、ホテルを稼動することはできません。

そこで、大阪では宿泊施設の供給を増やすため、旅館業の適用が除外された民泊条例の制定が望まれていました。

 

2.大阪府の民泊条例の内容

政府は「国家戦略特区構想」の中に、旅館業の特例を規定し、各特区内の条例により定められる要件をクリアし、特定認定を受けたものは、旅館業の許可無しに民泊ビジネス(外国人滞在施設経営事業)を展開できるように法整備を進めていました。そして、その流れの中で、大阪府では民マンションなどの空室を宿泊施設に利用できるようにする全国初の国家戦略特区の条例案が大阪府議会で可決されました。
これにより、大阪府では、旅館業法の許可を得なくても、以下の条件で、民泊施設の運営が可能となります。

 

旅館業法の許可を必要としない「民泊」の要件(大阪府の場合)

旅館業法の許可を必要としない「民泊」を行うには、上記の【特定認定】を受ける必要があります。その条件は、以下の通りです。
【宿泊期間】
7日間以上の滞在
つまり、6日以下の「民泊」は禁止です。

【滞在者名簿の義務化】
「外国人滞在施設経営事業の円滑な実施を図るための留意事項について」にもあるとおり、認定事業者は滞在者名簿を用意することが義務付けられることになります。

【民泊許可(特定認定)の申請手数料】
・新規での申請が21,200円
・変更の申請が10,500円
・許可(認定)を受けている居室と同一の施設内においてその居室と同一の規格の居室増やす等の場合は2,500円。

※マンションの場合は、マンションの管理規約にも注意する必要があります。

なお、
条例で、立ち入り検査の実施が認められており、民泊施設の衛生面や安全面、近隣住民とのトラブルが問題等、問題のある民泊施設へは立ち入り調査ができる旨が規定されています。(民泊施設・滞在者の同意が必要)

上記の要件の他に、以下の要件を満たす必要があります(国家戦略特別区域法施行令)
・床面積が25㎡以上の部屋(自治体により例外の可能性あり)

・出入口、窓は施錠可能であること

・出入口、窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること

・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備があること

・台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること

・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具があること

・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること

・施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること

もっとも、府条例が適用されるのは大阪府全域ではありません。というのも大阪市や堺市等の政令指定都市や東大阪市などの中核市は独自に保健所を持つためそれぞれ条例を制定する必要があるからです。

そのため今回の民泊条例の適用対象となる市町村は、37市町村に限られます。

[大阪府の民泊条例適用外市町村]
政令指定都市 大阪市
堺市
中核市 豊中市
高槻市
枚方市
東大阪市

 

大阪府の条例については、まだ不確定な部分もありますが、徐々に取扱いの方針も固まってくると思いますので、民泊ビジネスをお考えの方は、まずは専門家にお気軽にご相談ください。

 

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