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民泊施設から出るゴミ処理問題

民泊許可についてのQ&A

 

Q.私は、今後民泊条例等を利用して民泊ビジネスを始めようと考えています。民泊で生じるゴミは「家庭ゴミ」なのでしょうか?それとも「事業系ゴミ?」なのでしょうか?また、ゴミはどのように処理すればよいのでしょうか?

A.一般の居住用マンションや家の住民が出すゴミは「家庭ゴミ(家庭系廃棄物)」であり、ゴミ袋代等を除き、基本的に自治体が無料で回収してくれます。

ですが、民泊事業で、宿泊者が出すゴミは、家庭ごみではなく「事業系ゴミ(事業系廃棄物)」となります。

ですので、例えば、マンションの一室で、旅館業法の民泊許可や簡易宿所許可を取り、正規に事業として運営されるようになった場合、そのオーナーは自ら処理施設に運ぶか処理業者へ委託する等して、宿泊者の出すゴミを「事業系ゴミ」として出さなければなりません。

決して、マンションの一般居住者が使用するゴミ集積場には出せませんので注意が必要です。

これは、たとえ、家庭ゴミの分別ルールに従って処理したとしても同じです。

特区民泊の届出や簡易宿所営業の許可を取得して「民泊サービス」を提供することは、「事業」にあたるため、民泊サービスを提供することによって生じたゴミは事業活動によって生じた産業廃棄物、ということになるためです。

また、事業系ゴミは「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれており、適正に分別する必要があります。加えて、廃棄物処理の許可は、処理する廃棄物の種類により異なります。ですので、処理を委託する場合、処理をする廃棄物の種類の許可を持つ業者と契約しなければならない点に注意が必要です。

この一般廃棄物と産業廃棄物の区分については以下のようになります。

 

(一般廃棄物)

家庭等(事業系一般廃棄物含む)から排出される一般のゴミ及び、産業廃棄物に該当しない廃棄物です。ほとんどの場合は各自治体によって処分されますが、処分形態は各自治体によって異なります。
(産業廃棄物)
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定める計20種類の廃棄物です。

産業廃棄物は、一般廃棄物と違い各市町村ではなく、排出事業者に排出者責任があります。そのため、各事業所では産業廃棄物の処理・処分の許可を有する処理業者へ委託します。

★産業廃棄物に該当するゴミの種類

1.燃え殻
2.汚泥
3.廃油
4.廃酸
5.廃アルカリ
6.廃プラスティック
8.金属くず
9.ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
10.鉱さい

11.がれき類

12.ばいじん

13.紙くず

14.木くず

15.繊維くず

16.動植物性残さい

18.家畜ふん尿

19.家畜死体

20.政令第13号廃棄物

 

現状、ヤミ民泊を行っている方については、清掃業者に清掃を委託している方も少なくありません。ですが、民泊ビジネスを行う場合、清掃業者がゴミを一般ゴミの場所に捨てると、違法になります。

特に、宿泊者がゴミの処理方法がわからず、適切にゴミを捨てないと、目立ちますから、近所の方に通報される可能性が高くなります。

そして、適切な処理しない場合また無許可業者に委託してしまった場合には、廃棄物処理法違反となり、5年以下の懲役か1千万円以下の罰金、又はその両方が科せられる場合があります。

実際、京都では、不動産業者が一般ゴミ置き場に民泊事業で出たゴミを捨てたとして書類送検されています。

廃棄物処理法違反の罰則は大変厳しいです。これは刑罰になりますので、「たかがゴミ」と考えると前科がつく可能性もありますので、気をつけたいところです。

民泊許可物件はほとんどが違法

民泊許可についてのQ&A

 

Q.最近、ネットを見ていると、「民泊許可物件」、「民泊可能物件」、あるいは「オーナー許可物件」などの物件を紹介しているサイト等をみかけます。

 こちらの物件に興味があるのですが、これは本当に民泊を合法的に行える物件なのでしょうか?

 

A.100%そうだといいきれるわけではないのですが、「民泊許可物件」、「民泊可能物件」、あるいは「オーナー許可物件」はほとんどの場合違法です。理由は以下の通りです。

まず、長期(約1ヶ月以上)の賃貸借契約で生活の本拠として貸す場合等を除き、ほとんどが旅館業法上の「簡易宿所」や国家戦略特区法に基づき、東京都大田区や大阪府で条例に基づく「特定認定」を受けることで初めて合法的な運営となります。

しかしながら、条件が緩和されてきたとはいえ、上記の簡易宿所や特定認定を受けるためには数々の条件をクリアする必要があり、そのような条件をクリアし、かつそのような行政上の許可を受けている物件は多くはないからです。

特に、ワンルームマンションの民泊投資用物件については、99%行政上の許可を得ていないため、民泊に利用して外国人観光客を有償で宿泊させると違法となると考えていただいて構いません。

ですから、民泊ビジネスをやろうと思って物件を取得する際は、ちゃんと簡易宿所や特定認定等の行政上の許可を得ているかにつき、事前に十分にご確認下さい。

購入後、実は民泊ビジネスができない物件だったと気づいても、返金にはほぼ応じてもらえませんので。。。

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